どのようなゲームが売れるのか

 ゲーム制作における最重要事項は私が楽しむことだ。私が楽しい気分でゲームを作り続けるには、素材提供者に相応の金を払い続ける必要がある。今のところ無料素材を使っているので金を払う必要はないが、素材のおかげでより良いものがより短時間で製作できているので非常に助かっている。これは借りだ。借りがあるという状態は私にとってやや不快なので早く解消したい。

 借りを返すためにクレジットに素材提供者を載せるが、クレジットに載せた程度で借りを返せたとは思えない。相応の金を払えば借りを返せたと思える。しかし、収益が見込めないものを世に出している段階で出費がかさむのも精神衛生上よろしくない。できるだけ早くゲームで得た収益を素材提供者に分配できるようにする必要がある。

 では収益を上げるにはどのようなゲームを提供すれば良いのか。下手の考え休むに似たりで、無知に等しい私がどのようなゲームが売れるのかをイチから考えても良い答えを出せる確率は低い。また、それを考えるのは楽しくないので、先行者の知恵を拝借して適当に終わらせたい。今回は次の記事を参考にすることにした。
www.4gamer.net
この記事では『KONGREGATE』で長期間サービスが続いており、売上もいいゲームの共通点を紹介してくれている。一つずつ見ていこう。

1.面白いこと(最低でも半年は)

 そりゃそうだろう。しかし「面白い」というのは大雑把すぎる。具体的に何をすればいいのか分からない。そもそも多種多様な「面白い」がある。どの「面白い」に注目すればいいのか。なんとなく「知る」「考える」「気づく」という螺旋階段を「フロー」状態で昇り続けることができれば充分「面白い」ような気はするが、それ以外の要素も多々ある。

ちなみにGreer氏は,「面白いこと」を,「とにかくやることが多い」ゲームと,ここでは定義づけている。お金を多く消費するプレイヤーの64%は,遊ぶコンテンツがなくなるとゲームを辞めてしまうというデータが,同社のアンケート調査で出ているという。しかし同アンケートでは,新しいコンテンツが追加されれば,70%はゲームに戻ってくるという調査結果も出ているのだ。

 「やることが多い」のが「面白い」とは思わないが、「やることがない」のは「面白くない」とは思う。「やることがない」状態を避けても「面白く」はならないが、「面白くない」と感じる要因を一つ潰せる。では、どのようにして「やることがない」状態を避ければいいのだろうか。

 よく目にするのは、継続的なアップデートやイベントになるが、これらはけっこう負担が大きくなることが予想される。また、一つのゲームに縛られるのは楽しいことではなさそうなのでやりたくない。誰かに任せられるようになれば検討してもいい。先に挙げたものには劣るが、これまたよく目にする次コンテンツのチラ見せという手を使っていきたい。

2.ソーシャル要素

 個人的には理解しがたいが、同じゲームをプレイしているにも関わらず、画面の向こうに人がいると認識(誤認でも構わない)するだけで「面白い」と感じるという実験結果(コミュニケーションの面白さ – シリトリはなぜ面白いのか –)があったりするので、けっこう重要なのかもしれない。

 記事によるとギルドが有効とのこと。しかしギルトをうまく実装できる気がしない。ギルド格差が個人努力で埋められないという状況を避けるようにしたいが、格差を抑えるためにギルドから得られる報酬を抑えるとギルドに所属する動機が薄れる。好例を知らないし、いいアイデアも出てこない。困った。とりあえず箱だけ作っておいても効果があるのだろうか。

3.便利であること

 便利ってなんだ?と思ったが、ようするに余計なストレスを与えるなとのこと。これも当たり前のことだが、現在製作に使っている『RPGツクールMV』はほとんど出来ていなかったりする。演出を重視しすぎているためか、何かする度にプレイヤーにストレスを与える挑戦的な作りになっている。演出で面白さが増すことは疑っていないが、飽きられるのも早いと認識している。飽きられた後に残るのは無駄に待機しなければならないという拷問装置だ。拷問装置と化した演出を取り除くのは簡単であり、演出を見ないという選択肢をユーザーに提供するだけで良い。見ないという選択肢を提供しなかったFF7の召喚演出は実によく出来た拷問装置だと言える。まあ、作らせたものを容易になかったことにできるオプションを設けるのは、作った人の仕事をほぼ無為にする行為に近しいものであり、その決断はそれなりに難しいものだろうと推察できる。しかし、ユーザーにはそんなこと関係ないので、強制的に演出を見せ続けるとアルティメットクソという感想を抱かせることになる。

4.公正であれ

 バランス崩壊級のバグに注意を払う。発生させてしまったときは修正した上で謝罪と説明を行う。バグについてはこんなところか。公正でなくすチート対策については『RPGアツマール』では難しいと予想される。というのも『RPGアツマール』で難読化しているプログラムを見かけない。セキュリティ対策のため暗号化されたゲームは『RPGアツマール』に投稿できないそうなので、難読化=暗号化ということなのだろうか。元のソースと、難読化したソースと、難読化したソースの再現方法をセットで提出することでパスできたりしないのだろうか。

5.気遣い

 私にとって楽しい話ではなさそうなのでこの項目はスルーしたい。広報やエバンジェリストといった人達に任せるということであれば検討の余地があるか。

6.専心すべき

 同じようなものをもう一つ作っても売上倍増にはならないとか。まあ、そうだろう。『ブラウザ三国志』からの『戦国IXA』あたりは成功例だと思うが、屍はもっと多い。『ブラウザ三国志』と『戦国IXA』の成功要因の一つに、主要プラットフォームが異なるというものが挙げられると見ている。同じようなものを同じプラットフォームに投下するのは下策だが、別プラットフォームに投下するのは下策ではない。

7.最後に

当たり前だが

もちろんGreer氏が挙げたことを守ったからといって,ゲームが確実にヒットするわけではない。

とも書かれている。過度な期待はしないように。